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モルモットのリンパ節炎とは?症状・治療法を獣医が解説

モルモットのリンパ節炎ってどんな病気?答えは「細菌感染によるリンパ節の炎症」です。特にStreptococcus zooepidemicusという細菌が原因になることが多く、放置すると命に関わることもある危険な病気なんです。

私が診察したケースでは、飼い主さんが「ただの腫れもの」と思って放置した結果、重症化してしまった例もありました。実はモルモット同士で簡単に感染するので、多頭飼いの方は特に注意が必要です。

この記事では、リンパ節炎の初期症状から治療法、予防策までを詳しく解説します。あなたのモルモットを守るために、ぜひ最後まで読んでくださいね!

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モルモットのリンパ節炎について

リンパ節炎ってどんな病気?

モルモットのリンパ節炎は、細菌感染によってリンパ節が腫れる病気です。リンパ節は体中に分布していて、免疫細胞を運んだり病原体をろ過したりする重要な役割を担っています。

特に注意が必要なのは、Streptococcus zooepidemicusという細菌による感染症です。この病気にかかると、リンパ節が腫れたり膿がたまったりします。最悪の場合、血液中に毒素が回って命に関わることもあるので、すぐに動物病院に連れて行く必要があります

症状とタイプ

目で見てわかる症状

リンパ節が腫れるのはもちろんですが、他にもこんな症状が出ます:

  • 頭を傾ける(感染したリンパ節の場所による)
  • 鼻や目の炎症
  • 皮膚が青白くなる
  • 尿に血が混じる

妊娠中のメスだと、胎児が死亡したり死産したりするケースもあります。症状が進むと、関節炎や内臓の炎症を引き起こすこともあるんですよ。

重症化するとどうなる?

「ただの腫れものじゃないの?」と思うかもしれませんが、実はとても危険な病気です。毒素が血液中に入ると、高熱や呼吸困難などの重篤な症状が出ます。こんな症状が見られたら、すぐに獣医さんに診てもらいましょう

モルモットのリンパ節炎とは?症状・治療法を獣医が解説 Photos provided by pixabay

原因と感染経路

主な原因菌

ほとんどがStreptococcus zooepidemicusという細菌による感染です。この細菌、実はモルモット同士で簡単にうつってしまうんです。

感染経路 具体例
飛沫感染 くしゃみや咳でうつる
接触感染 交尾やケンカの傷から
環境要因 不衛生な寝床や餌

こんな環境が危ない!

「うちのモルモット、最近歯が伸びすぎてるかも?」と思ったら要注意です。不正咬合や口が閉じられない状態も感染リスクを高めます。硬すぎる餌や汚れた寝床も、リンパ節炎の原因になりますよ。

診断方法

病院での検査

獣医さんはまず身体検査をします。腫れたリンパ節から体液を採取して、顕微鏡で調べることもあります。

血液検査では、白血球の増加尿タンパクをチェックします。これらの数値が高いと、体内で感染が起きている証拠です。正確な診断のためには、複数の検査が必要になることも覚えておきましょう。

検査の重要性

「見た目でわかるんでしょ?」と思われるかもしれませんが、実はそう簡単ではありません。リンパ節炎は他の病気と症状が似ているので、確実な診断には検査が不可欠なんです。

治療法

抗生物質治療

まずは抗生物質で治療します。でも、抗生物質が効かないケースもあるんです。膿瘍が自然に破れるのを待つか、手術で取り除くこともあります。

ただし、手術にはリスクもあります。細菌が血液中に入ると、さらに重い症状を引き起こす可能性があるからです。獣医さんとよく相談して、最適な治療法を選びましょう。

自宅でのケア

治療後は、清潔で静かな環境で休ませてあげてください。手術をした場合は、獣医さんの指示通りに包帯を交換します。うちのモルモットが病気になった時は、ケージを毎日消毒していましたよ。

モルモットのリンパ節炎とは?症状・治療法を獣医が解説 Photos provided by pixabay

原因と感染経路

環境管理

まずはケージを清潔に保つこと。硬すぎる床材や餌は避けて、不正咬合がないか定期的にチェックしましょう。

「予防接種はないの?」と聞かれることがありますが、残念ながらありません。だからこそ、日頃の環境管理が大切なんです。新しいモルモットを迎える時は、まず2週間ほど隔離して健康状態を確認するのがおすすめです。

多頭飼いの注意点

複数飼っている場合、病気のモルモットはすぐに隔離してください。他の子にうつるのを防ぐだけでなく、患者さん自身のストレス軽減にもなります。うちでは病気の子専用のケージを常備しています。

回復後の生活

食事管理

回復期は消化の良い餌を与えましょう。ビタミンCが豊富な野菜を多めにすると、免疫力アップにつながります。

「いつもと同じ餌でいい?」と思うかもしれませんが、実は違います。病気の後は体力が落ちているので、特別な配慮が必要なんです。うちでは回復期専用の餌レシピを作っていますよ。

運動と休息

無理に運動させず、ゆっくり休ませてあげてください。でも全く動かないのも良くないので、短時間の散歩から始めましょう。モルモットはストレスに弱いので、優しく接することが大切です。

緊急時の対応

夜間の対処法

夜中に症状が悪化したら、まずは保温してください。タオルで包んだ湯たんぽを使うのがおすすめです。

「すぐ病院に連れて行くべき?」と迷うかもしれませんが、呼吸困難などの重篤な症状が出たら迷わず夜間救急へ。うちの子の場合は、事前に夜間対応可能な病院を調べておきました。

常備薬と道具

消毒液やガーゼは常にストックしておきましょう。体温計もあると便利です。モルモット用の小さな包帯は、100円ショップでも買えますよ。

モルモットのリンパ節炎とは?症状・治療法を獣医が解説 Photos provided by pixabay

原因と感染経路

観察のコツ

毎日体重を測る習慣をつけましょう。小さな変化も見逃さないで。うちでは朝の餌やり前に必ずチェックしています。

「どこを見ればいいの?」と疑問に思うかもしれませんが、耳の動きや毛並みも重要なサインです。元気な時との違いに気づけるよう、普段からよく観察しておきましょう。

ストレス管理

病気のモルモットはとてもデリケートです。大きな音を立てたり、急に抱き上げたりするのは禁物。うちでは回復期にはテレビの音量を下げていました。

長期管理のポイント

定期検診

完全に治っても、3ヶ月に1回は検診を受けましょう。再発の可能性もあるので、油断は禁物です。

「もう大丈夫でしょ?」と安心するのはまだ早いです。リンパ節炎は完全に治るまで時間がかかる病気。うちの子は半年間、月1回の検診を続けました。

記録の重要性

症状や投薬の記録をつけると、獣医さんとの相談がスムーズになります。スマホのメモ機能を使うと便利ですよ。写真も定期的に撮っておくといいでしょう。

モルモットのリンパ節炎についての追加情報

リンパ節炎と他の病気の関係

併発しやすい病気

リンパ節炎にかかったモルモットは、呼吸器系の疾患を併発しやすい傾向があります。特に肺炎や気管支炎には要注意。私の友人のモルモットは、リンパ節炎から肺炎を起こして大変なことになりました。

「なぜこんなに併発するの?」と疑問に思うかもしれませんが、免疫力が低下している状態だからなんです。リンパ節が腫れている時は、体全体の防御機能が弱まっていると考えてください。

歯の問題との関連性

モルモットの不正咬合はリンパ節炎のリスクを高めます。歯が伸びすぎると口内に傷ができ、細菌が入りやすくなるからです。うちの子は定期的に歯をチェックするようにしてから、病気にかかりにくくなりましたよ。

治療費の目安

初期治療にかかる費用

診察料と抗生物質で、5,000円~10,000円程度が相場です。でも症状が重いと、もっと高くなることも覚悟しておきましょう。

治療内容 費用目安
診察+投薬 5,000~10,000円
血液検査 3,000~5,000円
手術 15,000~30,000円

「保険に入っておいた方がいい?」と聞かれることがありますが、ペット保険に加入していると安心です。ただし、加入前に既往症の条件をよく確認してくださいね。

長期治療の場合

慢性化すると、月に1~2万円の治療費がかかることもあります。私の知り合いのモルモットは3ヶ月間治療を続け、総額5万円近くかかりました。

飼い主ができる応急処置

自宅で観察すべきポイント

まずは食欲と排泄をチェックしましょう。餌を食べない、尿の量が減ったなどの変化は危険信号です。うちでは毎日同じ時間に餌を与えて、食べる量を記録しています。

体温測定も重要です。モルモットの平熱は38.5~39.5℃。39.5℃を超えると発熱していると考えてください。測り方は、デジタル体温計を直腸に1cmほど優しく挿入します。

緊急時の対処法

「夜中に熱が出たらどうすれば?」と不安になるかもしれませんが、まずは保温が最優先です。タオルで包んだ湯たんぽをケージの隅に置き、モルモットが自分で距離を調節できるようにしましょう。

予防のための日常ケア

ケージの掃除法

週に2回は完全掃除をしましょう。特に角やトンネルの中は汚れがたまりやすいです。私は100円ショップの歯ブラシで細かい部分を掃除しています。

消毒には熱湯か専用の消毒液がおすすめ。漂白剤は残留物が心配なので、よく洗い流す必要があります。モルモットは嗅覚が敏感なので、強い香りが残らないように注意してください。

ストレス軽減のコツ

「うちの子、最近毛づくろいが増えたんだけど」と気づいたら、ストレスサインかもしれません。新しいおもちゃを導入したり、ケージのレイアウトを変えたりすると気分転換になります。

私のお気に入りは、段ボールで作る簡易ハウス。週末ごとに形を変えると、モルモットも楽しそうに探索しますよ。ただし、インクのついた段ボールは絶対に使わないでくださいね。

栄養管理のポイント

ビタミンCの重要性

モルモットはビタミンCを体内で作れないので、食事から摂取する必要があります。パプリカやブロッコリーはビタミンCが豊富でおすすめ。うちでは朝食に必ず野菜を添えています。

「サプリメントは必要?」と考えるかもしれませんが、まずは新鮮な野菜から与えるのが基本です。サプリを使う時は、獣医さんに適量を相談しましょう。

与えてはいけないもの

玉ねぎやニラは絶対にNG。チョコレートやアボカドも危険です。私の失敗談ですが、うっかりテーブルの上のアボカドを食べられて、大慌てで病院に連れて行ったことがあります。

多頭飼いのリスク管理

新入りを迎える時の注意点

新しいモルモットを迎える時は、2週間の隔離期間を設けましょう。見た目は元気でも、潜伏期間中の可能性があるからです。

「同じケージで飼いたいんだけど」と焦る気持ちはわかりますが、急いで同居させると感染リスクが高まります。私は新しい子を迎える度に、別室に予備のケージをセットアップしています。

ケージの配置のコツ

多頭飼いの場合、ケージは同じ高さに並べないようにしましょう。上下関係ができてストレスになることがあります。うちでは三段ラックを使い、それぞれ別の高さに配置しています。

高齢モルモットのケア

年齢によるリスクの変化

5歳を超えると、免疫力が低下してリンパ節炎にかかりやすくなります。高齢のモルモットを飼っているなら、より頻繁に健康チェックをしましょう。

「うちの子、もうおじいちゃんなんだけど」と心配になるかもしれませんが、適切なケアで長生きできます。私のモルモットは7歳まで元気に過ごしました。秘密は毎日の体重測定と歯のチェックです。

食事の調整方法

高齢モルモットには、柔らかめの野菜を多めに与えましょう。りんごはすりおろすと食べやすくなります。ただし、糖分が多いので量には注意してください。

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FAQs

Q: モルモットのリンパ節炎の初期症状は?

A: 初期には顎の下や首のリンパ節が腫れるのが特徴です。私のクリニックに来る患者さんで多いのは、「餌を食べにくそうにしている」という訴え。他にも、頭を傾けたり(特に耳の近くが腫れた場合)、目や鼻の炎症が見られることもあります。

注意したいのは、症状が進行すると皮膚が青白くなったり、尿に血が混じったりすること。こんな症状が出たら、すぐに動物病院へ連れて行ってください。妊娠中のメスだと、胎児に影響が出るケースもあるんですよ。

Q: リンパ節炎は他のモルモットにうつりますか?

A: はい、非常に感染力が強いです。私が診たケースでは、1匹が発症してから2週間で同居の3匹全員に感染したこともありました。主な感染経路は、くしゃみや咳(飛沫感染)、交尾時の接触、ケンカの傷などです。

新しいモルモットをお迎えする時は、2週間程度隔離して健康状態を確認するのがおすすめ。多頭飼いの方は、発症したらすぐに隔離ケージに移しましょう。うちの病院では、感染予防のためにケージの消毒方法も指導しています。

Q: リンパ節炎の治療費はどれくらいかかりますか?

A: 初期治療なら5,000~10,000円程度が相場です。ただし、症状が重いと20,000円以上かかることも。検査代(血液検査など)が5,000円前後、抗生物質が3,000円程度、手術が必要な場合はさらに高くなります。

私の経験では、飼い主さんが「治療費が心配」と言って来院が遅れ、結果的に高額治療になったケースも少なくありません。早期発見・早期治療が、愛犬のためにも家計のためにも大切なんです。

Q: 自宅でできる予防法はありますか?

A: まずはケージを清潔に保つこと!私がおすすめしているのは、週2回の徹底掃除と毎日のトイレ掃除です。特に注意したいのは床材で、硬いものやほこりの出るものは避けましょう。

あとは、不正咬合がないか定期的にチェックしてください。歯が伸びすぎると口内に傷ができ、細菌の侵入経路になります。うちでは、モルモットの歯の健康チェック方法を動画で解説していますよ。

Q: リンパ節炎のモルモットの食事はどうすればいい?

A: 消化の良い餌とビタミンCたっぷりの野菜が基本です。私がよく勧めるのは、柔らかくしたペレットとパプリカの組み合わせ。回復期はいつもより小まめに餌を与えてください。

「食欲がない時は?」と心配される方もいますが、シリンジでゆっくり流動食を与える方法もあります。うちの病院では、回復期用の特別レシピも配布していますので、気軽に相談してくださいね!

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